東京国立博物館 – Tokyo National Museum (tnm.jp)で開催中のカルティエ展にすべり込んできたので写真を交えてご紹介をば。会期は2024年7月28日まで。
カルティエが日本に最初のブティックを開いてから50年を記念し、メゾンと日本を結ぶさまざまなストーリーを紹介するこの展覧会は、左右対称の構造をなす表慶館を舞台に、カルティエと日本、そしてカルティエ現代美術財団と日本のアーティストという2つの絆を紐解きます。
東京国立博物館 – 展示・催し物 催し物 イベント カルティエと日本 半世紀のあゆみ 「結 MUSUBI」展 ― 美と芸術をめぐる対話 (tnm.jp)
駅からなかなかたどり着けない
上野はめったに行かないながら、公園内には地図がたくさんあるはず…と、ろくに下調べせずに行ったところ大変な目に遭った。
東京国立博物館には今回の「表慶館」のほか「東洋館」「平成館」などたくさんの建物があり、それぞれの場所で展示を行っている。各建物で当該チケットが売られているのかと思いきや、国立博物館一帯の「正門」でのみすべてのチケットが売られておりそこから目的の建物に向かう形式なのである!地図上は門がたくさんあっても、正門からしか入れないのである!
しかもですよ、その正門には力を入れている展示が主体となったポスターがドーンとあり、それ以外の展覧会はよく見ないとわからないような場所に文字だけサラッと書かれているだけだったりする。そう!通り過ぎちゃったのです…!!
なんだかよくわからないながらgoogleMAPを頼りに進む。施設内だからか道なき道みたいなところをルートが示している。うーん…こう行った方が近いか?などと余計な推理をしながら進んだ。これが間違い!!
JR上野駅から猛暑の中を歩き、東京国立博物館の正門を通り過ぎ(だってポスターなかったもん!!)、こども図書館の建物の美しさに見とれ、いや猛暑で頭がボーッとしているのか、しかし全然門があいてないなーまさかと思うが正門しか存在しないとか…いやいやそんなことないでしょ…

そんなことあったので、泣きながらUターンして(何度も言うけど猛暑)さっき素通りした正門から入り、インバウンドの波にもまれつつチケットを買い、やっとこさ入場。ちなみに平日の昼過ぎだったが、チケットは券売機がたくさんあるので3人待ちくらいで買えた。
正門入って左手に、あった…!!

というわけで、たどり着くまでに何文字書いたんだこれ。なおこれまで行った上野の美術館で記事にしたのは以下の2つ。
国立博物館内の施設に行きたい場合、正門はスルーしてはならない!!というのは声を大にして言いたい。公園や素敵な建物を見物しつつルンルンお散歩しながら探せる余裕があればいいけど真夏は無理よ。日傘なくば死あるのみ。
応挙館(TOHAKU茶館)で抹茶をいただく
さて…ヘトヘトすぎるので展示を見る前にお茶しましょう…
行く前からTOHAKU 茶館 – TOHAKU CHAKAN – (tohaku-chakan.jp)でお茶しようと思っていたので実は表慶館(展示場所)というより応挙館(茶館)を探してウロウロしていたのであった。応挙館の裏なので裏門から入ろうとしたりしていたのであった。一般人が入れる裏門なんてないけどね!
本館と東洋館(本館向かって右)の間を奥へ進む。建物の間も通れたり通れなかったりありそう。木があると涼しいなあ…!

フウフウ…暑いけど緑が目に涼しい…池や茶室が美しいものの暑すぎてゆっくり鑑賞する余裕はない。茶館の看板を見つけて、励まされながら進む。


なお看板には「かき氷はじめました」とあったが、14:30過ぎに到着したタイミングでは終わっていた。
そしてついに到着!縁側に欧米の皆さんがたくさん座っていて外観はうまく撮影できなかったが、日本家屋がとても美しい。
普段は一般公開されていない、貴重な日本家屋「応挙館」。名古屋市郊外の明眼院の書院として寛保2年(1742)に建てられ、その後、三井物産の初代社長である茶人としても有名な益田孝氏(鈍翁)邸内(東京・品川)に移築され、昭和8年(1933)、当館に寄贈されました。江戸時代の絵師、円山応挙が描いた襖絵(現在は複製画)を眺めながら、様々な日本文化を楽しんでいただく飲食やアクティビティをご用意いたしました。
TOHAKU 茶館 – TOHAKU CHAKAN – (tohaku-chakan.jp)
私も縁側席にしようかと思ったが、建物をよく見たいのでやっぱり室内席にしてもらう。客層は三分の二くらいは外国人。平日だからっていうのもあるだろうけど、上野公園は八割外国人でもったいない!建物とか美術館とか、自国の価値あるものをみんな見に来たらよいのに…

どうですこれ…!欄間(らんま)が素敵。畳がすごく長くて見たことないサイズだったけど、なにか謂れがあるのかな。
入ってまず「エアコンないの!?」とギョッとしたが、扇風機だけなのに暑くない!ひんやり涼しい…とまではいかないけど、普通に過ごせるくらい。日本家屋はやはり涼しい!高いものが何もない和室って清々して好き。座布団カバーが麻だったらもっと涼しげになるはず。
店員さんがメニューを丁寧に説明してくれた。※インバウンド向けに物価が爆発しているので心して訪問するべし。玄米茶とかブレンドコーヒーとか普通の飲み物でも税込み1000円、ラテ系は1400円。スイーツは抹茶系が多かったが、売り切れのものも。お酒やおつまみもあったがお食事メニューはなし。売り切れかき氷は映える系で一律1750円。まあこんなもんか。
せっかくなので奮発して抹茶と和菓子のセット2200円をオーダー!単品だと抹茶1650円、和菓子1000円なのでお得に感じてしまう罠。ショバ代と思えば高くない(と言い聞かせながら)!


「和菓子は『せいりゅう』です」と言われたけど「清流」…かな?こしあんをつぶあんで包んであると聞いて笑いそうになっちゃったけど、こういうことね!川辺で濡れた石を表現しているのか?上に小さく薄緑色の苔みたいなのがついていて、水でなく岩に注目するところが日本的で大変ステキ(*´▽`*)
表面がすべすべで口の中に涼を感ずる。けどしっかり甘くて夏の疲れた体にしみる!そして甘くなった口を抹茶でさっぱりさせる…うーん香りがよい。しかしこの和菓子、ポロポロして楊枝でさせない!手でつまんじゃう!
他の日本人のお客さんに和菓子の説明をする中で「ばえる感じじゃないんですが」と聞こえた。もちろん好みは色々あると思うが、この和菓子の美しさを評価できない人が大多数だとしたら今の日本人の美的感覚って幼稚すぎるよな…と、思う。「かのこみたいなお菓子です。仏様の頭みたいな見た目です」って説明が、イイ!


円山応挙の襖絵は近くで見るとあまり緻密でない複製だったのでちょっと肩透かし。でも遠目の雰囲気はよい!できればお花や緑が活けてあってほしいが、管理上難しいのか。
個人的には襖絵よりも建物の方が見ごたえがあった。よしずっぽい衝立に、暗い中から覗く縁側の緑のあざやかさが、いかにも涼しげ。

床脇も見ごたえがあった。


茶人に監修してもらって床の間も飾ればどんなに魅力的か…と思う。「日日是好日」を読んで茶道をやってみたい期に入った私である。
茶室群も見てまわる
一服して汗も落ち着いたので、庭を散策しつつ表慶館へ向かう。行こうと思って調べないとわからないが、本館の裏手にあたる庭や5棟ある茶室群のあたりは涼しくて静かで本当に素晴らしい!夏に神社に人が集ったのわかるな…涼しいもん。蚊さえいなければ!と思うが、和服ならさほど刺されないのやも。


今は保存のためなのか、茶室はすべて閉めたててある。池のほとりに建っているので本来は一番美しい景色を楽しめる場所だろうにもったいないな…茶室貸し出しはしているようなので、茶人はこういう建物も楽しめるのか。
茶室郡の中に昔のトイレもあってびっくり。格子窓から覗いたが(覗けるんです)、男性用小便器のある個室と和式便器のある個室があって、現代日本人は入れるのか?というくらい狭かった。木製なのに見た感じ腐っていない…!落ち葉などが降り積もっているように見えたので、まさか現在も使っているなんてことはないと思うが、ちょっと入ってみたい(使いたくはない)。
このあたりを歩いていると、ほんのり甘い夏の草の香り。とても安らいだ気持ちになる。

茶室の外側の板が雨で結構ブカブカになっていたのが気になった。文化的価値などを考えると安易に直せないのだろう。痛し痒し!それでも倒壊したりせずちゃんと建ってるから昔の建物はすごい。
いよいよカルティエ展 展示構成など
さてやっと本題のカルティエ展。お待たせしました!
最初のエリアは展覧会の意義を示すような「日本的なものにインスピレーションを得た作品群」から入っている。東京国立博物館で海外のブランドの展覧会をやる意味はこれで示せている印象。


右から二番目のチャームに「苦楽」って書いてあるの、わかりますかね?
今回は細かい解説や材料(「ダイヤモンド」「ゴールド」だとか)は作品の隣に書かれておらず、紙で配布していた目録にだけ書いてあった。確かに作品の隣に色々書いてあると、それを読む人と作品を見る人で動線がうまくいかずにイライラしがち。さらにそういった情報が多いと下世話な感想を持ちがちな大衆も「作品」それ自体に集中しやすい環境になっていたと思う。
宝石です!バーン!という見ごたえのある「いかにも素晴らしいジュエリー」も、デザインに遊び心のあるものも、それぞれ満足のいくボリュームだった。個人的には当日券1500円(一般)で、満腹!ちなみに来館当日なら総合文化展も見られるとのこと。
後半はジュエリーでなく「カルティエ現代美術財団」が支援している日本人アーティストの作品群がたくさん。現代芸術に興味がない人はまったく興味がないエリアだと思う。
すべて撮影OKでみんなバシバシSNSで発信しているんだろうな~とは思いつつも、自らの目でもって刻み込むように熱心に見る人は少なく、安易に消費されてしまっている印象は否めない。現代の美術展はそこが難しい。
気になった作品など
デスクセットなんて宝飾品もあるのね!と驚いた作品。キラキラしすぎてよくわからないけど時計、インク壺、ペンなど。どれがどれやら!狛犬が向き合っていないのはうっかりなのか仕様なのか、それでも日本とか中国に影響されたことがよくわかる。

展示の中でも多かったのがバニティケース。「ケース」というわりに何も入らないくらい小さいが、これ自体がアクセサリーみたいなものなんだろうか。↓右の「リップスティックホルダー付きパウダーコンパクト」とか、どうやって持つのか!でも精巧な細工が素敵!と思わせる力がある。


こんなビリケンさんみたいなのが載った時計なんかもあり、目のつけどころがユニークである。


日本的なるものをジュエリーで表現しようって心意気がかわいいし、それをやっちゃう職人もすごすぎ!アイデアノートには「Japonais」という文字が見えた。



中には「職人に伝わりきってないけど材料が材料だからやり直しがきかない」のかな…?という作品も。こういう↓満開の花みたいなものはどこか表現しきれていない感があるような。そう感じない花の方が多かったが、好みの問題だろうか。なんだろう、明るすぎるのかな。

私が行った日はパンツスーツの一団が大挙していたが、カルティエ従業員かな…?もうちょっと忍んだ方がいいのでは?というくらい目立っていた。
写真満載でお届けしたが、写真やSNSで見ても、本物がどんなものかは絶対にわからないと思う。自分が動くと目が痛いような輝き、まばゆさ、きらめきは生でないと!ブランドや宝飾品の展覧会を見に行ったことがない方にも是非オススメしたい。特にダイヤモンドの美しさは筆舌に尽くしがたく、はぜるようにきらめいたかと思うとすべての色を含んで虹が中に隠れているような奥行きも感じ、もう本当にうっとりしてしまった。
表慶館でプリンセス気分
うっとりといえば、表慶館の建物が持つうっとり具合もかなりのもの!大理石のひんやりした手すりに触りながら回廊を歩くリッチな気分は、お姫様になったみたい。




この手すりに触れながら階段を下りてみてごらんなさい…ドレスで舞踏会に参加しているかのような気持ちに(*´▽`*)!思いっきりおしゃれして訪問したい展覧会でもある。

猛暑でヘトヘトになったものの、最終的にはうっとり気分で公園を後にできた。終わりよければすべてよし!日傘をお忘れなく!
過去のカルティエ展の図録↓






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