大好きカンパニーデラシネラ (derashinera.jp)の「ふしぎの国のアリス」鑑賞してきましたので、感想をば。
カンパニーデラシネラとは
マイムがバックグラウンドにある小野寺修二さんという方が主宰するカンパニーです(なんとなく寺山修司さんを思い出すお名前…)。今回の新国立劇場では「ダンス」として取り扱われていましたが、一口にダンスともいえない、演劇やマイムの要素も入った唯一無二の表現手法を持った素晴らしいカンパニーです。
大河ドラマ「晴天を衝け」を見た時に徳川家康の後ろで何かやってるのデラシネラっぽいな~と思ったら正解でした。笑 あとさっき初めて知ったんですが、大好きなYUKIさんのMV「ひみつ」も小野寺さんの振付でした!ヒエー私の好きなものばっかり!小劇場での公演が多いイメージですが、大きい仕事もされていますね!
振付や演出も総合しての表現ですが、舞台作品での大道具や小道具の「見立て」に私は惹かれます。そこだけを切り取ってみたら「何をしてるのだろう?」と不思議に思うような場面、日用品が思いもしないものにイメージの中で姿を変える、その体験の尊さ。これは舞台になじみがない人にも経験してほしい。
小野寺さんの作品を観るとAIについて考えます。コンピューターがこれをみたら理解するんだろうか?って。すべての人はこれまで積み上げてきたイメージのタンクが頭の中にあると思いますが、それを想起する動きや演出で初めて見えてくるものがあります。ダンスやマイム全般そうかもしれませんが、コンピューターでなくても私的な体験や想像力の欠如によって楽しめない人もいるのかな…とも。
小野寺さんの作品との出会いはどこかの小劇場で上演された「罠」という作品だったように思うのですが、調べても出てこないのですよね…思い違いかな?だったら2009年の「あらかじめ」が最初かな。
デラシネラ流「ふしぎの国のアリス」
「アリス」の話はなんとなくの流れだけ頭に入っていて、特別に読み返したりはしませんでした。演劇のように細かく場面を追う感じではないです。
最初の、台を使った演出がデラシネラの自己紹介のようにも感じられました。目まぐるしい展開に一気に引き込まれます。デラシネラの舞台は、作品の「概念」を最初に音楽にのせて見せることが多いように思うのですが、私はそれが大好き。花やルービックキューブがどこからか現れて、アリスがそれを追うのを陰から見ている人がいて…横から奪われたり、それを防ぐとまた別の人に奪われたり…
アリスはデラシネラの表現に向いている作品だと思いました。「疑わしい環境」とか「騙されてる感じ」「おちょくられてる感」を出すのがうまい!
前半・後半と休憩をはさんで2部構成でしたが、前半にだけ出てきた「もう一人のアリス」の見方がよくわかりませんでした。藤田桃子さんが演じていた中年のアリス?みたいなもの。確かにアリスが二人いたからできた演出もあったけど、それは別にアリスとしてわざわざ一人使わなくてもその場にいる人が入れ替わりアリスっぽくするだけで十分だったのでは…と個人的には感じました。後半の藤田さんは女王で、アリス2がなかったことになっていたのでちょっと違和感があり。。衣装脱いだだけでは違う人って感じもないし。アリスと女王の同一性みたいなものを見せたかったのかな?と深読みもしてみますが、藤田さんをメインに出したかっただけのような気もします。効果的だったかというと、ちょっとわからない。
全編を通して大変おもしろかったのですが、後半はちょっと飽きがきたかな。アリスの話自体が結構「よくわからんものに会って翻弄されるが、なんだかんだ次に進む」というのが続くので、似たような展開が何回かあると飽きてしまいました。長編の作品よりも短編が好きかも。
とはいえ、とても魅力的な作品でした。「おもしろいな~」と何回思ったことか!どういう過程をへて作られるのか、クリエーションの過程を見てみたいと思うカンパニーの一つです。複雑すぎて頭の中では組み立てられないので、ダンサーを使って即興をしながら作っていくんじゃないかと思うのですが。
出演者
ことさらに強調しないだけで、身体能力がみなさん素晴らしいです。クラシックバレエみたいに「能力を見せる」でなく、「作品をみせるための身体」という感じです。マイムもダンスも、あくまでも手段の一つ。演技も上手。
後半冒頭のクリケットの招待状が届く場面で自然にアクロバットをやっていました(?)が、すごく面白かったです。みんなで授業うけてたシーンも好き!
崎山莉奈さん演じるアリスが本当にアリスっぽかったです。ギョロっと目だけでまわりを見るところとか、アリスってこういう子供だろうなと思います。
しかし女性の衣裳の襟ぐりが開きすぎて胸チラが気になった場面も…アリスではないのですが。意図があって見せているものではないと思うので、サイズが合わないところをつまみ縫いもしくはインナー1枚着てくれれば…と思ったりもしました。そういうのが気になっちゃう私。
言葉の使い方
「ダンスを見るぞ!」と思って行くと、演劇っぽくて驚くかもしれません。
今回は再演で、初演時から言葉を大幅に少なくしたということでしたが、台詞の量は今回の上演でもかなり多いと個人的には思いました。なくてもいいんじゃないか?と当初は思ったのですが、それだとたぶん締まらないんでしょうね。「台詞を使わない」って縛らないから、ダンスとかマイムって領域に縛られない表現ができるのかなと。
「声を使っても言葉を使わない」演出が本当にうまいと思います。赤が好きで白が嫌いだということがわかる「レッド、イエス!ホワイト、ノー!」みたいな簡単な英語使うのとか。海外でもほぼそのまま上演できちゃうしね。
大道具・小道具
序盤の傾いた台に始まり、可動式の壁やら入れ子になった椅子やら、大道具の使い方がとても効果的で好きです。アリスに出てくる小道具は、鍵とかクッキーとかクリケットの道具とか…数が多いですね。デラシネラならほぼ全てをまかなうような思いもしないものを持ってくるんじゃ…!?と思いましたが、そこはわかりやすく使いわけていました。削ぎ落とすだけがすべてじゃないか。
断片で見るとわからないんだけど、流れで見るとこれが何を表す小道具なのか?何の場面で何を表現してるか?がわかるっていうのは本当に面白いです。毛皮やバランスボール、ハンガーなどで浮かび上がらせたチェシャ猫の表現もユニークでした。
客席
コロナ対策をしつつも客同士の間をあけたりはせず、ほぼ満席で9割くらいの入りでした。小学生くらいの子どもも結構いたように思います。
前半は笑いを誘うシーンでも静かだった客席ですが、後半はホットで笑い声がしました。なぜだろう…と不思議に思っていたのですが、もしかして休憩の時にロビーパフォーマンスでもやっていたのかしら…!?客席から出るのが大変でずっと座っていたので、見逃したかも!チックショー!!
東京オペラシティ
13時からの回だったので、腹ごしらえしてから劇場に入りたく。おとなり東京オペラシティでは上演チケットがあれば優待サービスが受けられるそうで行ってみました。初台駅からだと新国立劇場を通りすぎてちょっと奥です。


手早く食べたかったので丸亀製麺にしましたが、こちらは優待サービスはなし!せっかくチケット引き取ってから行ったのに!でも「おろし醤油うどん」はレモンが載っていてさっぱり、つわり中でもおいしくいただけました。写真は撮り忘れましたが並で420円。コンビニでパンやおにぎりを買って小劇場の外のベンチで食べている人もいました。
鑑賞後にはオペラシティ内のカフェへ。小腹が空いたためドルチェセット(*´▽`*)

追加料金なしでカフェインレスにしてくれてありがたいです。ドルチェセットはケーキ料金(フランボワーズタルト540円)に200円で飲み物がつけられるのですが、メッツォメッツォ(チョコレートとエスプレッソのハーフ&ハーフ)やカフェラテも選べてバリュー!コーヒー紅茶以外だと追加料金とられることが多いですよね。こちらはチケット優待で10%割引がきき、666円でした。
タルトは冷たく酸っぱくおいしい!予期せず中がちょっと凍ってたのも爽やかでよかったです。
今は電子タバコ?をレンタルしてくれるカフェなんてものがあるんですね!喫煙席と禁煙席は分かれていたし紙タバコは現在不可らしくドアが開いた時にタバコ臭がすることもなく…タバコ吸わない人にも優しく、吸う人にも優しいカフェでした。ありがたや!




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