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「江戸絵画の華〈第2部〉京都画壇と江戸琳派」に行ってきました

現在出光美術館で開催中。伊藤若冲が見どころの第1部は見逃した…(事前予約制)。第2部は3月26日まで!

2019年、エツコ&ジョー・プライス夫妻(プライス財団)によって蒐集された作品がコレクションに加わった、お目見え展覧会とのこと。

江戸時代の絵画を中心に構成されたプライス夫妻のコレクションは、これまでに展覧会や書籍などを通して日本国内で広く紹介され、たくさんの美術ファンの目を楽しませてきました。プライス夫妻の先駆的な美意識によって見出された作品の多くは、ともすれば格式ばった、あるいはつつましく質素なイメージが先行しがちな江戸時代の絵画が、実はどれほど自由で新鮮なものであったかを、私たちに気づかせてくれます。なかでも、その飄逸な造形感覚と見事な描写力によって、いまや押しも押されもせぬ人気画家となった伊藤若冲(1716 – 1800)の魅力は、プライス・コレクションによって発見されたといっても大げさではありません。このほかにも、若冲とともに18世紀の京都画壇をリードした円山応挙(1733 – 95)とその才能豊かな弟子たちによる迫真的な絵画、江戸の地に琳派の美術を導いた酒井抱一(1761 – 1828)とその弟子・鈴木其一(1796 – 1858)の平淡で洗練された花鳥画、さらに礒田湖龍斎(1735 – 90?)や勝川春章(1743 – 92)による優艶な人物画など、プライス・コレクションには見どころ満載の作品が目白押しです。 この展覧会では、今回里帰りを果たした約190件のなかから選びぬいた80数件の作品を、2期にわけてご覧いただきます。おおらかで斬新な発想と、それをかたちにするためのすぐれたテクニックによって、見る人に心地よい驚きをもたらす江戸絵画の世界を、心ゆくまでご堪能ください。

出光美術館 (idemitsu-museum.or.jp)

酒井抱一さかいほういつ鈴木其一すずききいつは過去の展覧会でも鑑賞していた。

フォトスポットはあったが撮影可能作品はなかったので、ポストカードがゲットできたものはそれを並べて感想をば。

「江戸絵画の華」フォトスポット
「江戸絵画の華」フォトスポット

めでたさを感じる作品群

4森徹山もりてつざん「松に鶴図屏風」

森徹山「松に鶴図屏風(部分)」ハガキ
森徹山「松に鶴図屏風(部分)」ハガキ

このポストカードは左半分。実際の作品は右側にどっしりとした松が描かれていた。千羽鶴といっても千羽描く人はなかなかいない中、1,300羽の鶴を描いたという大作!うーんすごい。当たり前だがみんな顔が違って、小さくしか描かれていない細かい鶴も、わーっと飛来してくる姿がとてもめでたい印象。線が繊細で淡い鶴と対照的な松の力強さよ!政治的な関係で彩色が途中(未完成)らしいが、淡く描いてから色をつけていく製作過程がわかって逆に見応えを感じた。

5源琦げんき「雪松図屏風」円山応挙の弟子が師匠の作品を写したということだが、これ自体が素晴らしい作品!陰影が美しく、水墨画ってリアルにも寄れるんだ…というのが今回の発見だった。松が描かれた絵で松ぼっくりが印象に残ったことはなかったが、この絵は雪の重みと松ぼっくりのかわいらしさが印象的。源琦という人は優しい人だったんじゃないかなと思わせる、穏やかな作品だった。

…と思ったら、7「虎図」では爬虫類みたいな顔の虎を描いていて、松の絵とずいぶん印象が違って見えた。でも耳を掻いている犬猫のようなポーズが愛らしい気もする。

円山応挙まるやまおうきょ「虎図」

円山応挙「虎図」ハガキ
円山応挙「虎図」ハガキ

今回の展覧会のキービジュアルにも採用されているが、さすがの素晴らしさ…!パッと見はインパクトがあるが、よく見るとあまりに精緻で驚く。細かく見ていくと、「動物の毛って確かに白とか金とかが黒い毛の中にあるよね…わかる~」「顔の中の毛がつむじ巻いてるよね…わっかる~」と思ってしまうような鋭い観察眼が伺える。トラって当時も見られる場所があったんだろうか?それとも犬や猫を観察してここまで想像したのだろうか。前脚の毛が男性の胸毛みたいな質感なのはポストカードでもうっすらわかるが、ここに強さまでも感じられる。間違いなく傑作と思う。

森狙仙もりそせん「竹虎図屏風」も虎。トラの絵が続く。写実的というよりは日本画の龍を思わせる表情と表現で、これもまたよい。

12森狙仙もりそせん「月下孤鹿図」月明かりに浮かぶ幻想的な鹿の姿が印象的。どこか消えていってしまいそうな、宙に浮かんでいるようなふんわりとした表現。表情がどこか手塚治虫の描く動物やディズニーのバンビを彷彿させる。

17森徹山もりてつざん「仏涅槃図」は、本当にすごい…。人間に混じって赤鬼みたいなやつがいる!人面鳥がいる!象が駄々をこねるようにひっくりかえって悲しんでいる!…という不思議な世界観に圧倒される。横にびっしり書かれた金色の字(仏典?)も美しい。単眼鏡で細かく細かく見入っている人が多かったのも納得。全体を見ても色や構図のバランスがとてもきれい。
この作品はポストカードもあったが、小さすぎて良さがわかりにくかったので買わず。単眼鏡↓ちょっと欲しくなった。

19鈴木守一すずきしゅいつ「扇面流し図屏風」

鈴木守一「扇面流し図屏風」(右隻)チラシより
鈴木守一「扇面流し図屏風」(右隻)チラシより

目をみはる鮮やかな群青!この色は、ぜひ実物を見てほしい。ゾーン分けがされている最初にこれが出てきてハッとしたので、展示構成が秀逸だなと。濃い青に金の川の流れが素敵だ。扇子の骨や飾りもセンスフル!

20池田孤邨いけだこそん「粟穂に流水鶉図」は好きだなぁ…流れる水もウズラも、粟の重く実って垂れる様子も、豊かさを感じる。色合いが美しいけどそれだけでなく、題材の背景にある豊かさ。

23鈴木守一すずきしゅいつ「秋草図」

鈴木守一「秋草図」ハガキ
鈴木守一「秋草図」ハガキ

秋草ってどうしてこんなに美しいんだろう?色の混ざりかたも形も、そして描表具(かきひょうぐ)の大胆さと生命力!風袋(ふうたい/上の縦2本線があるところ)のだまし絵的な表現もいい。このエリアの作品がどれも好きで「ずっとここにいたい!」と噛みしめながら何度もウロウロ練り歩いた。

描表装(かきひょうそう)があった作品は、そういえば鏑木清方展でも気に入ったものがあった。

30中野其玉ながのきぎょく「流水に扇図屏風」扇面に様々な季節の花が描いてあるが、個人的には椿のふくよかな表現が好き!

34鈴木其一すずききいつ「懸蓬莱図」

鈴木其一「懸蓬莱図」
鈴木其一「懸蓬莱図」フォトスポットより

正月飾りの絵って初めて見た気がする。伊勢海老をこんなふうに飾るのって非常にアバンギャルドに感じるが江戸時代の富裕な家では一般的だったのだろうか。「干し柿とか稲穂とかこうやって飾っていたのね…」と民俗学的な視点からも興味深い。贈り物のために依頼されて描いた作品とのことだった。

終盤に鈴木其一すずききいつの作品を並べて畳みかけていたが、個人的には前半の弟子の方が見応えがあった。好みの問題かも。

日本画で特に感じるが、ちょっとした肉球、路傍の草のような…メインで描かれていないものへの細かな観察眼や小さな表現にも感じ入るところが多い。

そして最近これ↓を読んだせいかもしれないが

すべてのモチーフに吉祥を願う気持ちを感じた。依頼人の幸せや富を願う感じが伝わってきて、気持ちのよい展覧会だった。新年~新学期前という季節にもぴったり!

事前予約制なので注意

事前予約制なのでゆったり堪能できた。予約は公式サイトから(料金は現地支払い)。人が少なくて作品が見やすいし、感染症予防の観点なのか作品の前で話している人がいると運営から注意してくれていた。

出光美術館はものすごく久しぶりだったが、順路の進みやすさや小ぢんまりとして集中できる展示数、解説もよかった!

周辺情報

東京駅近辺に行きたいカフェがあったのだが(→待ち人数が多くて断念)、道中の東京国際フォーラムにも以前から気になっていた店があり、軽食を求めて入店。

シンガポール発祥のカヤトースト専門店 | ヤクンカヤトースト(Ya Kun Kaya Toast)

目当ては「カヤトースト」という、シンガポールのソウルフード。ココナッツミルクから作ったカヤジャムを挟んだトーストで、温泉卵2つとドリンクもついてきて税込み700円!

え、これ…おいしすぎません…?サックサクの薄切りトーストにカヤジャムがとろっと甘くて、バターが溶けて芳醇なうまみが広がる。食べる時に垂れてきて手が汚れるけど味が最高なので問題なし。「卵をつけながら食べるのがオススメです」と言われたけど、私は別に食べる方が好きだった。

温泉卵にかけるシンガポールのしょうゆ?がまたおいしい。ホワイトペッパーもかけるとおいしすぎませんか(むせたけど)!!温泉卵はもうちょっと温かい方がうれしい。

カフェインは避けたいものの練乳コーヒー(コピ)が飲みたくてオーダー。布フィルターを使っている模様。これがちょうどよく甘くて、コーヒー苦手な人にも良さそう。溢れそうなくらいなみなみ入れてくれた。コーヒーが使い捨て紙カップでプラスチックのフタもついてくるのが地球に優しくなくて残念…フタだけでも断ればよかったが提供があまりに素早くてできなかった…だがスプーンや皿は回転使用!

明るい洋楽は雰囲気がよく、人がいなければ広々。木製の簡素な椅子もシンガポールの露店感があってちょっとした旅行気分も楽しめる。

コンパクトな店内だが国際フォーラムのイベントがない日だったせいか休日の昼過ぎでも空いていた。店員が5人もいて、めちゃ余っていた印象。営業時間が8時~20時なのでモーニングにも使えるし、夜食にも最適。カロリーは高そうなので個人的には朝食に使いたい店だった。

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