※当サイトのリンクにはプロモーションが含まれることがあります。

絵なのに立体?深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」 に行ってきました

数年前に日経新聞で記事を読んでから気になっていた深堀隆介さんの作品展に行ってきた。会場は上野の森美術館 (ueno-mori.org)。公園に囲まれたロケーションが素敵で、好みの展覧会がなくてもデートなどに向いていると思われる。実際、カップルも多かった。

立体の表現

金魚にこだわって描き続けている作家さんで、代表作は何層にもなる樹脂一層ごとにアクリル絵の具で描くことで枡(マス)を上から覗いた時に立体的に見える「金魚酒」。その立体感は、海外で展示会を催した際あまりのリアルさに「本物の金魚を閉じ込めるなんて可哀想だ!」と苦情が出たというほど(新聞で読んだ記憶)!写真では伝わらないかもしれないが、本物と勘違いするのも納得。浮いている葉や花弁の表現がまたうまい!撮影可の作品はいくつかあったが、金魚の色や形が一番気に入ったのはこれ。

最初の展示室では「金魚酒」を2002年から?時系列で並べてあり、2009年からグッと立体感が増して作品が変わったように感じた。「鈴夏」は2021年の作品だが、この立体感は何年もかけて練り続けてきたのだろう。直近の作品を鑑賞してから初期の作品を見ると、層の数が少ないためかペラペラに見えた。

と思ったら最近の作品でも何匹も泳いでいるような大群の作品だとペラペラに見えた。数が多いと描くのに心が折れるのか…?それとも大群にする金魚は細身タイプが多く立体感を出すのが難しいのだろうか?お菓子の器や和傘に金魚を泳がせている作品は遠目には素敵だったが、画材が大きかったり透けていると真上からだけでなく斜め、横からも見られるため立体感を表現する難易度が上がるのかもしれない。画材を枡のように「真上からしか見られないもの」に限れば全体的にクオリティが高く見えるだろうが、そうでない作品も並べているのが誠実な感じがした。すごい!という作品とガッカリしてしまう作品の差が激しいな…という感想を抱いてしまったが、私がガッカリしている作品の前で「今にも動き出しそう」と呟いている人もいたので、鑑賞する人によるとは思う。横から見たペラペラ感が面白いと感じる人もいるだろう。

創作について語る映像の中で「一層樹脂を流したら二日待って固める」というふうに話していたが、現在も二日待っているのだろうか?ジェルネイルやクラフトで使う樹脂はUVライトで即固まるが、この樹脂はUVライトは使えないのだろうか?という疑問を抱いた(大きなお世話ですね)。

映像ではドロッとした樹脂を使っていたが、もっとサラサラした粘度が低い樹脂を使えばより薄く何層も重ねられるのでは?重ねるほど立体感が増してクオリティが上がるように思うが…黄色くなりにくく粘度の低い樹脂がないのだろうか。うーん我ながらお節介な感想!

平面の表現

平面に描く金魚の絵も美しい。桐に樹脂をのせたキャンバスにアクリル絵の具、と画材は現代的だが、どこか日本画に通じるものを感じた(詳しいわけじゃないが、日本画は好きでよく見に行く)。平面に金魚を描く際は、その年の象徴的なことを下に描いてから塗り重ねているらしい。もちろん見えなくなるが、そこがまた「芸術」っぽくていいと思う。

平面も立体の表現も、上から(背びれ側)見たところが特にうまいしそういう作品がほとんどだったが、もう一つブレイクスルーがあってほしい…と思いながら足を進めた。しかしちゃんとといおうか、アニメ調の画風に挑戦したり金魚のウロコだけを描写した「鱗象」シリーズを生み出したりしていた。鱗象はなんて美しい…今後の作品の展開も楽しみと思えた。

珍しさや面白みもあり、重すぎることもない作品群のため、初デートで美術館に行こうと決めたカップルなどにはオススメの展覧会だ。油絵なんかで解釈の違いを論ずるよりも仲たがいする可能性が低く、「わあすごーい!」「きれいだねー」など大した感想がなくとも白けず、キャッキャしやすいといえるだろう。(会話は控えめにという注意書きがあったので浮かれすぎは禁物!)

最初にあった作者の挨拶「地球鉢」という言葉の意味と、地球の淀みへの提言は響いた。

周辺情報

上野駅の目の前なので食事の場所を探すのに苦労はしないだろうが、ランチにオススメのレストランをご紹介。

トップページ | 音音上野バンブーガーデン (xn--mckuczay8ld4db0508duvvileoaa.com)

音音上野バンブーガーデン
音音上野バンブーガーデン

美術館出てすぐに「上野駅への近道はこちら」と案内がある階段を下りる途中に入口がある。夜は居酒屋になるらしき雰囲気だが広々としてランチタイムでも混雑せず、安心して食事できた。仕切りつきのカップルシートなどもある。一方でお子様メニューもあり子連れもウエルカムな雰囲気。

店員さんは親切で、着物を着ていたからか、わざわざ奥からナプキンを出してきて二枚も貸してくださった。何も言ってないのに!今回いただいた「大海老天麩羅丼」は大きなエビ3尾になす、かぼちゃ、大葉とモリモリ大満足の天丼。おばんざい、香の物、味噌汁に食後の一杯もついて税込1500円なら場所代を思えばバリュー大じゃなかろうか。なおランチメニューは1100円の若鶏から揚げみぞれ膳が最安値の様子。芸術を堪能しうまいもん食ってよき日でした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました