弥生美術館・竹久夢二美術館 (yayoi-yumeji-museum.jp)に行きました。谷崎潤一郎の本を読んでいる最中だったのもありますが、チラシが、ほら!着物満載で素敵!これは着物好きとして行かなきゃでしょ!!

谷崎潤一郎をめぐる人々と着物
中河与一が小説「探美の夜」に描いた谷崎潤一郎の生涯を追う、という流れの展示で田代光さんの挿絵(原画)が満載でした。
谷崎潤一郎に関わった女性や、作品に出てくる女性のイメージにあわせて着物のコーディネートが展示してあります。展示パネルに文章の抜粋があって、谷崎潤一郎の世界に引き込まれます…。時代やキャラクターごとに半襟や帯揚げの出し方も変えてあるの。すばらしい着物に帯に!わざわざ言わないだけで帯留めもおそらく相当値打ちのあるものと思われます。
その中に谷崎が推していたという「メリンス」(ウール)の紹介がありましたが、メリンスの単(ひとえ)って全然ウール感がなくてびっくりしました。私の持ってるウールは綿入れなのか?めっちゃぽってりして野暮ったいのですけど…笑 展示されていたメリンスはふんわりと空気を孕んで素敵でした。トルソーに着せずにヒラヒラなびく展示にしていたためもあると思うのですが。
基本的には田中翼(たなか・よく)アンティーク着物コレクションが着物協力しているとのこと。田中さんのコレクションは本↓を読んだ時にはしまいこんでもったいない~着物は着ないと~と思ってたけど、間近に見ると…着用に耐える強さはもうないのかもと思いました。収蔵すべき美術品だわ。
アンティーク着物の協力は田中翼さんか大野らふ(ポニアポン)さんって印象があります。見たことがある本は確かこれら。
田中さんのは尖ったデザイン、大野さんのはうっとりした着物が多いイメージ。着物好き、アンティーク布好きにはどちらもオススメです。目の保養とはこのこと。
谷崎文学の抜粋や紹介も魅力的で、ぜんぶ読みたい!と思いました。「悪女・毒婦に惹かれる」っていう性癖を作品に昇華できていていいですよね。現代でも萌えから素晴らしい創作物を生み出す人も多いですから、性癖ってのは強いですね(どんな感想)。芸術家以外になるのは難しい人だったろうけどその危うさがまた魅力的と思います。
和服という民族衣装との距離
谷崎さんゆかりの女性たちの遺品の帯なども展示がありましたが、自分の祖母や母の着物もこのように展示室に並べてみたら違和感ないのかもと思いました。美術品としての展示ではなくても鑑賞に堪えうるんだもの。ものすごい刺繍のものが、ポンと実家にあるというのは単純にすごいと思うんです。「先代から伝わる民族衣装が(着方がわからなくても)家にしまってある」という部分において日本はまだギリギリ大丈夫なのかも…と。みんな価値もわからず売りに出したりしているけど、買取業者は第三者が価値を認めやすい作家ものくらいにしか値段をつけないだろうけど、そういうものを自分で活用できたら日本はもっと素敵なのになと、そんなことを考えたりもしました。
オペラバッグっていいなあ欲しくなっちゃう。何も入らないくらい華奢なんだけど、豪奢な着物に合わせたらさぞ素敵でしょうね。
弥生美術館に着物割引はないのですが、来館者の女性に着物姿が多くて嬉しかったです!お太鼓の正統派もあり、着物地のワンピースなどの方もあり。あんまりしげしげ見るのも悪いのでさりげなく堪能しました。
なおこの展覧会にあわせ刊行された本もあるそうなので、見逃した方はこちら↓でどうぞ。解説もモリモリだし展示されていない着物の写真もあって、素敵に盛りだくさんです。
高畠華宵×『大正オトメ御伽話』展
弥生美術館は展示室が1部屋ずつ×3階建ての細長い建物なのですが、面倒がらずにぜひ3階までじっくり見てほしいです。3階は圧倒的に人が少なかったんですよね。2階に夢二美術館への通路があるから、3階に行かないままそちらに行ってしまうのか、展示があるって気づかないのか…もったいない!
今回はアニメ化されたという「大正オトメ御伽話」と高畠華宵(たかばたけ・かしょう)のコラボ展示が3階にありました。原作の「大正処女御伽話」は胸キュン漫画として以前オススメしました。登場人物の各キャラクターが高畠華宵の作品を紹介するという趣向です。
【関連記事】胸キュンしたい時にオススメの恋愛漫画(完結した作品)
アニメの設定に関連して大正時代の女学生を取材した雑誌なんかもあり、細かく見ていくととても楽しい展示でした。しかしこの時代のセーラー服の野暮ったいこと…!なんでこんなウエストぱんぱんなの??笑
憧れのお姉さまに出す手紙の例文集「新緑のたより」がすごかったです。女学生の耽美で健気な、おねえさまを恋い慕う心が!企画展だけど3階は毎回高畠華宵を中心とした展示になっている様子。見逃しがちだけど、是非みて!!!高畠華宵作品はおそらくうっとりした表情の女の子が有名なんじゃないかと思うのですが、勇ましい男の子も凛々しくて好きです。
個人的には「さらば故郷!」と「青葉かげ」がお気に入り。原画でなく印刷の展示がほとんどですが、「新さらば故郷!」の原画があります。美麗…!高畠華宵が高齢者施設に入っていた晩年にファンレターを出して、返事にそれを描いてもらったという鹿野琢見さんが弥生美術館を創立した話は知らなかったです。ファンが家に引き取って看取ることになるとは驚きですね。
30のキーワードでひもとく竹久夢二展 ーこれであなたも夢二通!ー
夢二美術館も充実しています。今回はハッシュタグをつけて「30のキーワード」として夢二を色々な視点から紹介していますが、本やら読んではいても初めて知ることの多さよ!私は夢二の美人画はそんなに好きでもない(デザインや詩の方が好き)のですが、よく見ていくと「夢二といえばこれ!」というタッチの他にもいろいろな描き方の作品があって。「夏姿」と「もの云へば」が好きだと発見できてうれしいです。
「夏姿」は爽やかで明るい。「もの云へば」は泣いている着物女性の後ろ姿の絵ですが、今にも嗚咽と同時に動きだしそうな姿勢の美しさに引き込まれます。
着物を着ていてぐずぐずに着崩れてきても夢二式ですと言い張ったらいい気がしてきた!
周辺情報~ごはんがススム食堂

見終わったら14時過ぎ?変な時間だったのですが、やっている食堂があって助かりました。弥生美術館の中にもカフェはあるのですが、がっつり食べる感じではないので…笑
根津駅からの道すがら目をつけていたごはんがススム食堂 ~Trattoria di WATARI-NO~|根津/定食・食堂 (gohangasusumu.com)が営業中だったので入ってみました。東京大学の学生向け食堂らしく、数量限定日替わり定食なら600円ですよ!全品ご飯がおかわり自由!助かる~!
うまいうまい!750円のこちらはヤンニョムチキンが4個載っていてご飯もおかわりしてお腹いっぱいです。ごはんがススムとうたっているだけあっておかずは濃い味ですが、小鉢と漬物はあっさり。
マダムが感じよくて、やわらかめのお米もツヤツヤでちゃんとおいしい。お酒もお得で夜は飲み会もできる感じ。日本酒が色々あるっぽいです。弥生美術館に行ったけどがっつり食べたいもしくは飲みたい場合にはオススメ!弥生美術館周辺は大学の建物が多いためか街並みも静かでいいですよね。




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